素直な心（La candeur）
ハ長調　4分の4拍子 Allegro Moderato (?＝152)

練習曲としてのねらいは5度のポジションの確立と指の独立でしょう。

冒頭にdolceと記された８小節をレガートのワンフレーズで弾くことにより流れるような優しい音楽が生み出されます。

初版に指定された?＝152は初心者にはかなり困難なので、
多少テンポを落としても細やかに強弱の変化をつけた粒ぞろいの良いタッチで弾かれるべきでしょう。

中間部の２＋２＋４小節フレーズによる盛り上がりとその後に現れるpoco riten.、
そして最後に再び現れるpoco riten.にロマン派らしさが感じられるので、心を込めて丁寧に表現しましょう。

このように１曲目にハ長調、続く２曲目にイ短調を配置するのは、
ショパンのエチュードOp.10を筆頭に多くの練習曲集で踏襲されており、ブルグミュラーも当然意識していたのでしょう。

（森　直紀）