15.　バラード（Ballade）

ハ短調　８分の３拍子　Allegro con brio

ドイツロマン主義の起源は文学にあり、多くの楽曲が文学作品からの影響を受けて作曲されています。

当時流行したバラードとは、非業の英雄伝説、殺人にまつわる悲劇、恐ろしい怪談話など、おどろおどろしい幻想的な物語でした。

音楽におけるバラードでもその雰囲気が感じられる作品が多く、ショパンの４曲のバラードがその最高峰と言えますが、
リストやブラームスも素晴らしいバラードを作っています。

ブルグミュラーも彼らに習い、神秘的で魅惑的な作品に仕上げています。

８分の３拍子で書かれていますが、指定のテンポが速いので１小節を１拍にとった２拍子の感じで、
右手は高まる鼓動を、左手は不気味な囁きをイメージして演奏しましょう。

余韻を感じさせる終わり方もとても印象的ですね。　

（森直紀)